水作りについて

【お金をかけるな、手間暇かけろ】

これは、日頃心掛けていることです。
飼育にかかる費用を惜しむという意味ではなく、高価な水質安定剤、pH調整剤などを使って飼育環境を作るのではなく、労力をかけてメンテナンスをしようという意味です。

例えば、水替えをする場合、
一定の水質を維持するには、マメに水換をする必要があります。
この場合、水道水にカルキ抜きと水質調整剤を入れ、その水を使えば簡単に済むでしょう。

しかし、当方では、極力薬品の使用を避けます。

水草をたっぷり入れたバケツに水を張り、これをたくさん用意して、
エアレーションしたまま日なたに数日置き、水がこなれたところで、水質試験を行い、
有害な残留物が検出された場合のみ除去剤を使用し、pH調整が必要な場合は、
酸性方向ならアンブレラリーフかピートモス等の植物を、アルカリ方向に傾けたいならサンゴ砂を加え、丁度良くなるまで待ちます。

この間、3〜5日。

じっくり時間をかけて水を作ります。

こうして作った水を、水槽に入れる時もじっくりゆっくり時間をかけ、点滴方式でポタポタと水槽に入れてやります。
1つの水槽の水替えに要する時間は2〜8時間。
水質調整したとはいえ、元々水槽に有った水と全く同じ物ではないで、ラムズホーンの負担にならないよう、ゆっくりじっくり時間をかけて入れていきます。

極力薬剤を使わないようにしている理由は、穏やかに水質を調整した水は薬剤を使った水よりもこなれていて、安定性が良いからです。

pH調整剤の即効性は理解しますが、調整剤はとてもデリケートな薬品です。
調整した水を水槽に加えた場合、水槽内の水に含まれた成分に反応し、急速にpHの再昇降が起きるという減少は珍しくありません。
また、昇降が起きない場合でも、薬剤によるpH調整は一時的な物で、効力が切れると元に戻り、その速度も決して穏やかな変化ではありません。

こうしたpHの変化はラムズホーンにとって負担になることであり、殻の状態は水質に敏感です。
年中水質の安定しない水槽で育ったラムズホーンは殻が綺麗に巻かず、部分的に太くなったり細くなったり、いびつに成長し、色も均一ではなく、ひどい場合は、亀裂が生じることもあります。

きれいなラムズホーン、健康なラムズホーンを育てる基本は水作り。
この部分は手を抜かない、納得のいくまで手間暇かけてやる。
これは継続していきたいです。

さて、ここまで書くと、非常に飼育が難しい個体なのかと思われがちですが、実際は熱帯魚やメダカより丈夫です。
殻の表面のツヤ、巻きの曲線の均一さを求めているのでなければ、ここまでやる必要はない気もします。

熱帯魚やメダカなどのタンクメイトとして、1つの水槽に数匹から数十匹入れる程度でしたら、水質が急速に変化しなければ大丈夫です。
むしろ、大概の魚よりも水質の悪化には強いです。
しかし、可能な範囲なら、手間をかけて育ててあげたいと思っております。

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